九州建築視察ツアー
2013.11.23 カテゴリ:視察ツアー タグ:第2期(2013年度)
2日間の九州ツアーがスタート。
伊礼智さんが設計された株式会社すまい工房さんのモデルハウスの他、株式会社ミズタホームさん、株式会社ベガハウスさんの施工物件を見学する、熊本・鹿児島を巡る秋の九州ツアーを開催いたしました。 ゲスト講師に荻野寿也さんをお迎えし、総勢45名でのバスツアーとなりました。
すまい工房のモデルハウス「龍田の家」を見学。
都市型庭園のある住まい。新しい住宅が建ち並ぶ中、木々の中に寄り添うように建てられた家。角地にあるその家は、ひときわ落ち着きを持ち、余裕ある美しさを感じさせます。ベランダガーデンも年月を重ねるごとに変わる樹々の姿とともに、楽しい空間になるであろう、そんな場所でした。
続いて「すまいの杜」へ。
庭が美しく、どこか懐かしくて、気持ちのよい空間。まさに、森の中に入っていくような佇まい。「すまいの森」は人が集い、語らい、皆様に楽しんでいただける場所なのです。 間取りや自然素材を肌で感じられる展示場「木立の家」は、実際に宿泊することも可能です。実際に宿泊体験をすることで、生活が見えてくるのではないでしょうか。隣接するギャラリー「Glanta」では打ち合わせやイベントなど、多目的に利用できます。
ミズタホーム設計施工物件「びお」見学。
楽しい家とは、こういうものなのだろう。 一歩はいると、思わず顔がニヤリとしてしまう。そんな空間の連続。 人類が同じように時間を経過するのであれば、このような好きな空間に身をおいて過ごすのはどうだろうか。細胞まで喜ぶだろうこの家。すまいというものが、いかに大切であるか実感しました。
三井ガーデンホテル熊本でのセミナー。
どのようにして、すまい工房が誕生したのか。 さらに、すまい工房が考える家作りについて、お話をうかがいました。
懇親会は郷土料理「青柳」にて。
懇親会では、おいしい熊本の郷土料理にお酒、同じ志を持つ仲間たちとは、一瞬で打ち解け、話が弾みます。部位が異なる4種の馬刺は、九州特有の甘い醤油でいただきました。芥子蓮根は、肥後藩細川家初代の忠利公が常日頃病弱だったため、健康増進にと考えだされた珍味栄養食なのです。 そして、思いがけないサプライズ。郷土芸能「おてもやん」の披露。お店の名物でもあります。おかめの面をつけた、赤い頭巾のおてもやんが、舞を踊る仕草に、釘付けでした。 郷土の文化を伝承する、女将の心意気が感じられました。
ミズタホーム「山ぼうしの樹」を見学。
築120年の古民家を、リノベーションしたものです。 明治時代の新築した当時にも、古材を使用していたようで、材により300年くらいのものもあるそうです。 離れ、ガレージ、和風庭園、待ち合い、ワインバー。楽しい小部屋の連続。欄間や壁紙は当時のものをそのまま残し、硝子絵画や襖絵の美しさは歴史とともに今を感じることができます。作っている最中に、デザインを変更したという土間。 時間とともに残すものと、新たに加えるものと、程よいバランスを保ち、新たな文化がここから発信されていく。そんな空間でした。
熊本から鹿児島へ バスで二時間強の旅。
前半は身体と気持ちを休め、後半はバスの中で質問タイム。 同乗していた、伊礼さんと、荻野さんへの質問。 なぜかマイクは、木藤さん(建築知識編集長)の手に渡り、キレのいい進行と内容の濃い問いかけに、有意義な時間となりました。
昼食は海鮮料理「こんぴら丸」にて。地元で人気店だというこちらの店は、新鮮な魚を提供してくれる海鮮料理店です。入り口から、地元客で長蛇の列。美味しいお刺身のランチをいただきました。お味噌汁も、九州ならではの少し甘い味でした。
ベガハウス「2014年ショーホーム」見学
隣接する住宅と同じ二階建てと思えないほど、すっきりとした佇まい。その周りには、樹木。土地の歴史をたどり水のある風景をと、中庭に池があります。まず出会うのが、玄関の手すりに埋め込まれた、シンプルな照明スイッチ。隣の家を一瞬で隠してしまう、和室の小さな襖風窓。オリジナルの洗濯物掛けや、家具のノブにまで、こだわりが詰め込まれた家。生活がデザインの中にあるような印象を受けました。 こだわりといえば、停めてある社用車まで、かわいい。
ベガハウス「こだんの家」見学
ベイスギの無垢材が美しい外観。敷地の傾斜を活かしたその家は、住まいの真ん中に、薪ストーブが鎮座し、その周りにあたたかさが広がっていくような空間でした。建具や家具、庭の細部に至るまで、こだわりの設計で建てられた住宅。中でも、建具のすみずみまでの丁寧な作りは、参加者が皆驚嘆し、真剣に見入っていました。ソファーに座った時にみる、庭の眺めも抜群。暖かく、楽しい家でした。
参加者の皆様、ご協力頂いた方々、2日間まことにありがとうございました。