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Vol. 85

設計教室2023 建築視察ツアー第2回 報告

2023.10.30 カテゴリ:, ,  タグ:

2023年 建築視察ツアー第2回を開催。

10月11日に建築視察ツアー第2回を開催しました。ゲスト講師の実作を巡る本ツアー第2回は高野保光さん編です。高野さんの原点であり現在も拠点である「遊空間設計室」と、ご自宅である「縦露地の家」、そして本年の即日設計初級編の課題となった「阿佐ヶ谷の家」(実際の建物名とは異なります)を見学。まずは空間を味わってほしい、という高野さんの想いもあり、見学人数を絞らせていただき、2班に分かれてそれぞれを巡りました。
細い路地が入り組む住宅地を、街の雰囲気を感じながら歩き、たどり着く住まいは、それぞれの雰囲気や見どころが異なりつつも、高野さんが大切にされている空間のつくり方、光や景色の切り取り方、細やかなディティールへのこだわり等が共通しており、住宅デザイン学校の講義で学んだ内容を体感できるものでした。
「阿佐ヶ谷の家」では、所員の方や住まい手さんからもお話を聞くことができ、また、「遊空間設計室」では粘土模型や建築模型、家具模型なども拝見でき、さらに気づきや学びを深めることのできる、貴重な機会となりました。

ご協力をいただいた全ての皆様に、心より感謝申し上げます。

高野保光 氏/遊空間設計室:http://www.u-kuukan.jp/
 

<縦露地の家>

築11年、交通量の多い通りに面した約13坪の敷地に建つ、建築面積約9坪の3階建て住宅です。こちらは高野さんのご自宅で、こだわりが随所に詰まっていました。室内に入ると9坪とは思えぬスケール感で、その名の通り縦露地に見立てた階段ホールを介して光が柔らかく差込み、空間がのびやかに広がります。中庭や天窓など外部をうまく取り込み、開口部の設えの工夫で人や車との目線をずらし、街中にあることを忘れるような内部空間に、参加者の皆様も感嘆の声。


高野さんは家具のデザインもされており、その椅子にも座らせていただきました。

<阿佐ヶ谷の家>

今年の即日設計初級編の課題となった建物で、現在は暮らしが営まれています。2面が道路に接道しており、それらを活かした動線や、近くに人が集まる場所があるため、外を感じながらも喧騒を和らげられるようなプランニングが鍵となった課題でしたが、数々の条件を基にした高野さんのひとつの回答を、皆で拝見しました。


緩やかにゾーン分けされつつ繋がる空間。あちらこちらに居場所がつくられており、また、壁面の塗分けや装飾、空間をすっきりと見せるための細やかなデティールなどが詰まっていました。


天窓から居場所への距離にも工夫があり、効果的に光が落ちるように計算されています。またその光は多方向に拡散されるようにもなっていました。


板塀のスリットの間隔にも一工夫。

<遊空間設計室>
こちらでは、粘土による模型や、建築模型、家具模型、これまでの施工例や掲載された雑誌・書籍などを拝見できました。
特に粘土による建物のボリュームデザインは造形作家である高野さんならではであり、皆様興味津々でした。

 

ご協力いただきました関係者の方々、ご参加いただいた皆様、大変お疲れ様でした。
次回は、11/29(水)の三澤文子さん編です。ご参加いただく皆様はお楽しみになさってください。



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