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Vol. 87

設計教室2023 建築視察ツアー第3回 報告

2023.12.04 カテゴリ:, ,  タグ:

2023年 建築視察ツアー第3回を開催。

11月29日に建築視察ツアー第3回を開催しました。ゲスト講師の実作を巡る本ツアー第3回は三澤文子さん編です。即日設計初級編で課題となった、京都らしさの残る住宅地に建つ「土絵と本の家」、大阪福島の町屋を改修し現在はSOHOとして活用されている「フクマチヤ」「MOK SOHO」、そしてMs建築設計事務所による住宅一棟目であり、ご自宅と事務所の機能を備える「千里私たちの家」を見学。その後はMs建築設計事務所にて、コロナ禍以前は時折開催されていたという「ふみこ食堂」をひさしぶりに開催。三澤文子さんお手製のお料理をはじめ、所員の方々からのあたたかなおもてなしをいただき、懇親を深める貴重な時間となりました。

全ての作品で三澤文子さん直々に解説いただき、建物そのものの説明だけでなくそこに込めた想いや、今に至るまでの経緯などのエピソードも併せてお聞かせいただきながらの見学時間。文子さんの歩まれた歴史と共に、優しくかつ情熱的な想いをどの作品からも感じ取ることができ、「あっという間の時間だった」「もっとお話が聞きたい」「実際に見学して感じ取るものがたくさんあった」等の声が続出。また全てが住まい手さんや使い手さんのいらっしゃる建築であり、その皆様にも同席いただき、使い手さんからのお話も貴重なものとなりました。ご多用中の中ご協力をいただいた全ての皆様に、心より感謝申し上げます。

またこの度は、即日設計参加者の希望者で定員に達してしまい、ご希望に添えなかった方々は申し訳ありませんでした。
これにて、今年度の住宅デザイン学校講師の実作をめぐる視察ツアーは終了となります。あらためて、ご協力いただいた皆様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

三澤文子 氏/Ms建築設計事務所:https://ms-a.com
 

<土絵と本の家>

初級編の課題となった建物。住まい手さんがお持ちの美術書をはじめとする蔵書を収め、時にはサロンのように開放することを視野に入れたパブリック性のある図書室のある家で、かつ定住の家とセカンドハウスという要素も併せ持つ住まい。複雑な要素を三澤文子さんがどのように整理しまとめられたのかが一番の見どころでした。実際に拝見すると、細かなところに配慮の行き届いた優しいお住まいで、京都の「町の作法」を大切にした控えめで上品な佇まいが印象的でした。住まい手さんも同席いただき、家づくりのエピソードや住まい心地などもお話いただきました。


三澤文子によるレクチャー。ツアー形式で行われました。

<フクマチヤ・MOK SOHO>

大阪市福島の駅前にある町屋を改修して、SOHOとして開かれているところです。2009年に改修され、その後使い勝手に合わせて手入れしてこられたところです。現在は、住宅医スクールの事務局や、ご存知の方も多い建築家などが入居しているシェアオフィスとして主に使われています。改修物件だけでなく、周辺の町についてもご案内いただきました。中には三澤康彦さんの処女作もあり、町に寄り添うMsの歴史を感じる時間となりました。

建築家 奥村昭雄さんから譲り受けたという、立派な無垢の机を囲んでのレクチャー。この机を受け入れるために構造を工夫したと言います。


改修前の写真や軸組模型も使いながらのミニセミナーも。

<Ms建築設計事務所・千里私たちの家・ふみこ食堂>

RC造平屋づくりだった住宅を1985年に改築。その後使いこなしていく中で、増築・改築を繰り返し、暮らしに合わせて微調整をしてきたという、Msの原点であり、歴史の詰まった場所をご案内いただきました。40年近くを経たその場所は、暮らしに寄り添う棲家のモデルとなり、訪れた私たちをも包み込んでくれるような空間。見学後は、「コロナ禍になる前は、よく開催していた」というふみこ食堂でおもてなしいただきました。ほぼ全て、三澤文子さんが手づくりされた美味しいお料理と、所員の方々がサーブしてくださるお飲み物、そして皆で過ごす時間は話が尽きず、住宅デザイン学校の真髄を感じられるひとときとなりました。




 

ご参加いただいた皆様、大変お疲れ様でした。
またご協力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました。

2023年度設計教室の、ゲスト講師の実作を巡る視察ツアーは、今回にて終了。鈴木信弘さん、高野保光さん、三澤文子さんの、それぞれの実作を現地で拝見し、周辺環境やお施主様との関係性、実際の身を置いて得られる気づきも含めて、講義や即日設計で得た学びを深める場となりました。2024年は、新たなゲスト講師の方々をお招きし、同様の学びの場をお届けいたしますので、どうぞお楽しみに!



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