メニュー
Vol. 80

設計教室2023 第1クール第2回 報告

2023.06.30 カテゴリ:,  タグ:

2023年 設計教室第1クール第2回をオンラインで開催。

6月21日、22日に、第1クール第2回を開催しました。

ゲスト講師は三澤文子さんです。事務局に伊礼さんと三澤文子さんにお集まりいただいてのライブ配信となりました。 

三澤文子 氏 / エムズ建築設計事務所:https://ms-a.com/
 

<1日目>

一日目は講師のお二人の講義です。まずは伊礼さんの講義。「小さな心地よい居場所に惹かれて」と題して、気持ちよいなぁと感じた空間をスケッチし、実測し、書き留めておいてご自身の設計に生かしていることを、様々な事例を元に紹介いただきました。

京都の旅館「俵屋」のスケッチから着想を得た、二畳の和室、窓台と一体になった家具、お風呂場の低い照明、庭座といった空間が実際の伊礼さんの作品に反映されていること。韓国の南山韓屋マウルからは、小さな部屋が連続して半屋外に繋がる様、吉村順三さんの打合せ室からは段差を付けることで変化が生まれる空間など、参考にしたものと、それをどのように実作に活かしたかをわかりやすくお伝えいただき、様々なアイディアと共に、心地よい空間を見つけ、なぜよいのかを考えて記録し、設計の引出しを増やすことを薦められました。

後半の三澤文子さんからは、「ロングライフ住宅であるために~新築と改修の循環」と題した講義です。

地域の気候と地理的特徴が架構をつくり、ライフスタイルとライフサイクルが空間をつくり、それらが景観をつくり文化となる。また山で木材を生産する人たちから、街の住まい手までを結ぶ一貫した「木造設計技術」が民家型構法である。そのような基本的な理念を、これまでの経歴を交えてお話いただいたうえで、コロナ禍につくられた新築住宅2作品と、改修住宅1作品を丁寧にご紹介いただきました。

「つながりの家」では、共働きで夫婦で家事を分担するご家族のために、空間や時間を無駄なく使えるようなプランや、ひょうごの木を使った力強い梁、柱、芯去り材やJパネルの使い方、メンテナンス性を考慮した外装材といった素材、色々と便利なスロープや安価かつ美しく納まるU字溝を使った階段のアイディアなどをじっくりとご紹介いただきました。また、安定性のある柱割り、状況に応じた壁倍率の構成、断熱材を含む壁・屋根の構成、基礎・床下の状況など、性能面においても言及。

「ウマハウス」では、東京都心部らしい、北側斜線や道路斜線の厳しい条件をクリアするための工夫、通りからの見え方と、室内からの見え方を考えた窓配置、廻り階段のデティールにおいても紹介いただきました。

また改修事例では、同じ空間でもつくり方を変えて、綺麗に整え、性能を上げると、見違えるように生まれ変わるし、これまで使われなかった空間の使う頻度が上がったり、幅広い世代に受け入れられるようになったりする。比較対象があるからこそ、施主の感動が強くなり、それがつくり手にとっても喜びに繋がる。また、明治・大正時代の大工仕事に触れ、当時の大工と会話している気持ちになることや、小屋裏を室内に取り入れることで、今まで潜んでいた素晴らしい架構を見せることができるようになることなど、改修工事の魅力についても語られました。

その後のZOOM懇親会には、住宅デザイン学校2021年のゲスト講師を務めてくださいました丸山弾さんも加わり、賑やかな会となりました。

<2日目>

2日目は即日設計(初級編)です。京都市内の住宅地における「図書室のある家~定住の家とセカンドハウスのハイブリッド~」をテーマに3時間で設計し、伊礼さんと三澤文子さんが審査員となり講評を行いました。

課題となった敷地は、周辺に古くからの京町家らしい住宅と新建材を用いた新しい住宅が混ざり合う住宅地。西側接道で、北、東、南に隣家が近接していますが、高低差がなく、面積や条件的にも難解な敷地ではありません。ですが、京都ならではの「街の作法」を汲み取ることや、住まい手さんがお持ちの美術書をはじめとする貴重な書物を収める図書室をどう設えるかが重要ポイントとなり、時には厳しい指摘がなされることも。いずれの指摘も、住まい手の想いや暮らしやすさに寄り添ったものであり、施主の希望の先を提案する大切さや、街の作法についても考える良い機会になりました。そのほか、家事動線やサービスヤードの在り方、空間に多用途を持たせること、少しの工夫で深みやエレガントさが増すアドバイス等、プレゼンテーションひとつひとつに熱い添削がなされました。

前日の講義で得た知識を早速落とし込む方や、プランを架構をから考えておられる方も多く、皆様の血肉になったのではないでしょうか。また前回の第一回目を経て、プレゼンテーションや表現方法が格段に底上げされたことも印象的でした。

今回の最優秀賞は、審査員票3票と参加者票1票を獲得した、K-spaceの甲斐靖之さんに決定しました。甲斐さんおめでとうございます!そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!次回は初級編の最終回となります。どうぞよろしくお願いいたします。

2023年 第1クール第2回 投票結果

甲斐 靖之 さん4票

青木 史晃さん

3票

片岡 悦子さん

2票

中村 真さん

2票

佐藤 千里さん

1票

小笠原 華奈子さん

1票

鈴木 茂明さん

1票

伴 栄樹さん

1票

伊礼 智さん作例

 
 

三澤 文子 さん 図面

未発表作品のため図面掲載は控えさせていただきます。
第2回最優秀

甲斐 靖之 さんの作品

 



関連記事
  • 設計教室2023 設計教室第2クール第2回 報告

  • 設計教室2022 第1クール第2回 報告

  • 設計教室2022 建築視察ツアー第3回 報告

  • 住宅デザイン学校10周年記念イベント 報告

  • 設計教室2022 設計教室第2クール第3回 報告

この記事をシェア